近年、増えつつある「お別れの会(偲ぶ会)」ですが、まだまだ一般的ではなく、聞いたことがある位のことでした。それも著名人が亡くなった際に、テレビのニュースで拝見する程度、参列する機会などなく、身近なものではないと思っていました。
ですが先日、仕事でお世話になっていた方の訃報が入りました。3か月程前にお会いする機会を逃した事を思い出し、とても悔やみました。年に1~2度お会いする方で、元気なお姿しか拝見したことがなかったので、まさかあの機会が最後になるとは夢にも思っていませんでした。葬儀は家族葬で済まされたとのことで、後日「お別れの会」を予定しているとの連絡でした。
そしてそれから1か月後に「お別れの会」の案内状が届きました。
故人とのお別れをしたかったので、何の迷いもなく「お別れの会」の参列を決めたのですが、いくつか問題が出てきました。
まず、「お別れの会」への参列が初めてだったこと。
そして、案内状の「平服でお越しください」の言葉。
お別れの会がホテルで行われるということ。
すべてが初めてで、どうすればいいの?というのが本音でした。
「お別れの会とは?」「お別れの会 服装」「平服」
など検索し、一般的な考え方やマナーなどを調べてみました。
お別れ会は、無宗教で行われることが多く、仏教での数珠や焼香は行われないことが多いとのこと。平服は、黒のスーツや、黒紺グレーなどのワンピースやアンサンブルなどで、その他の小物は黒にまとめるようにとのこと。ホテルで行われる場合は、他のお客様への配慮から喪服は着用しないのがマナーとのこと。
結局、黒のワンピースに黒のジャケット、黒いコートと黒一色になってしまい、道中はカーキのショールを差し色に使いました。
当日はあいにくのお天気で、ホテルについたら靴を履き替えて、クロークに傘と荷物を預けようと思っていました。
でもロビークロークには列が出来ており、少し時間が、かかりそうだなと思っていたら「会場前にも専用クロークがあります」とのアナウンスがあったので、そちらに預けることにしました。
受付は名刺で。
ほぼ会社関係の方ばかりで、男性が95%くらいを占めており、女性の服装を比べられることもなく、結果、それほど服装を気にすることはなかったと感じました。
会場前で、5名~6名で並び、順に前に進みます。途中、献花用のお花を手渡されます。白いカーネーションやカラーなどが一般的と勉強しましたが、ここは白のカーネーション。右手の上に花を置くように持ち、左手に茎、そのまま順に前に進みます。
5~6名が同時に献花出来るようになっており、係りの方に言われるがまま、前に進んでいきます。前のほうに進むと祭壇が見えてきます。遺影の周りは白いお花が敷き詰められており、青いライトが照らされていました。両サイドには供花が飾られており、胡蝶蘭などが目を引きました。
自身の順番がやってきました。遺影の前まで進み、深く一礼。茎をもっていた左手を奥に、献花を供えます。ここで黙祷。手を合わせたくなりますが、無宗教とのことで、目を閉じ黙祷。そしてまた深く一礼をし、誘導される方へと進みます。そのまま隣の立食会場へ。会場前で、おしぼりを渡され、手を清めたらおしぼりを回収されました。紙ナフキンとウーロン茶が渡され、奥の立食会場へ誘導されます。会場の上座には、故人の年表がありました。学生くらいからの写真が順に飾られており、会社設立から組合関係、会合の様子などの写真を拝見できました。その後、供花をおくられた会社や関係者の名前が書かれていました。
特にスピーチやアナウンスなどはなく、個々で挨拶を交わされていました。
やはり男性はビジネススーツの方が多く、ネクタイは黒や紺、グレーなどそれぞれでした。女性もグレーのジャケットや、パンツスーツの方も見受けられました。
半数くらいの方が会場を出られたころに私も会場をあとにしました。